「円満離婚」を成功させるために必要な考え方と準備

離婚というと、「親権で揉める」「財産分与で揉める」「養育費で揉める」など、揉める、争うというどうしても消極的なイメージで語られることが多いかもしれません。

でも、考え方を変えて、しっかり準備すれば、揉めたり争ったりせず、いわゆる「円満」に離婚することができます。この記事では、円満離婚をするために必要な考え方と準備について解説いたします。

「円満離婚」とは

円満離婚とは、離婚をする際、財産分与や親権、養育費など条件について、争うことなくスムーズに離婚が成立することをいいます。つまり、自分の要望はもちろん、相手の希望も満たして離婚することになるため、夫婦のどちらかに不満が残るような離婚は円満離婚とはいえません。

円満離婚をするために必要な考え方

では、円満離婚をするために、つまり、夫婦の双方が不満なく離婚するためには、どのような考え方を基本として準備すれば良いのでしょうか。

1.離婚を急がない

離婚を決めたなら、しっかり準備をして、相手と話し合ってお互いに納得してから離婚しましょう。一刻も早く相手から離れたいために、何の準備もなく離婚届を出してしまうと後悔する確率が高いでしょう。協議離婚に関しては、離婚を決意してから離婚まで半年から1年半ほどの時間が必要とされています。まずは、じっくり時間をかけて準備することから始めましょう。

2.離婚条件について、お互いが納得できるまで話し合う

離婚する場合、相手と話し合いを避けては円満離婚できません。「なぜ離婚したいのか」から始まり、離婚後の生活設計、お金のことなどをしっかり話し合い、お互いが納得する必要があります。

相手が離婚に納得できない場合や離婚の条件について難色を示したときは、時間をかけて説明して、納得してもらうことが大切です。決して、自分の考えや感情を押し付けてはいけません。

3.配偶者の嫌いな点、問題点を指摘しない

話し合いを進めて思うように話が進まなかったり、相手から自分に対する不満をぶつけられたりすると、つい自分も溜めていた不満を相手にぶつけてしまいたくなるものです。でも、円満に離婚するためには、ここは我慢。言わなくてもいいことは自分の胸にしまっておきましょう。

円満離婚をするために準備すべきこと

円満離婚の話し合いをするために必要な考え方を理解したら、いよいよ離婚に向けて準備をしていきましょう。具体的にどのような準備が必要になるのでしょうか。

1.離婚する理由をもう一度しっかり考えてみる

離婚を決めるからには、理由があるはずです。相手の浮気、借金、ギャンブル、家事に非協力的など、理由は様々でしょう。ただ、その理由を相手にぶつけて、納得してもらえるのでしょうか。この部分をしっかり考えて、相手を納得させることが円満に離婚するためには必要です。

また、離婚理由をじっくり考えてみることで、自分が本当に離婚をしても大丈夫なのか、確認することができます。たとえば、「相手のちょっとした癖や行動が気に入らないから」が理由なら、よく考えてみたら、それは自分のわがままなのかもしれません。

また「家事や子育てに協力してくれないから」といった理由から離婚したいと考えているなら、どうすれば相手を家事や子育てに協力してもらえるかを考えるきっかけにもなります。離婚を急ぐあまり、自分はどうして離婚をしたいのかといったそもそもの部分をしっかり考えずに離婚してしまうと、後悔することになりかねません。

2.離婚に関する知識をたくわえる

離婚の理由をじっくり考えて離婚を決めたなら、まずは、離婚に関する最低限の知識を書籍やネットを使って勉強しましょう。年代や子どもの有無にかかわらず、財産分与、慰謝料について、子どもがいる夫婦の場合なら、親権、養育費について、熟年者の離婚なら、親権や養育費の代わりに、年金分割や退職金の分与が関心事になるでしょう。

こういったことをひと通り学習して、来るべき話し合いのために知識としてたくわえておきましょう。

3.離婚後の生活をシュミレーションしてみる

離婚に関するおおまかな知識を得たら、次はその知識をもとに、離婚後の生活をシュミレーションしてみましょう。このとき注意して欲しいのが、書籍やネットで集めた情報をそのまま自分の離婚に当てはめることはやめましょう。

現在は、離婚に関する書籍やネット情報もかなり出回っています。調べようと思うことは、比較的簡単に手に入れることができますが、すべてが自分に当てはまる情報とは限りません。むしろ、100組の夫婦がいれば、家庭の状況も、決めなければならないことも100通りあります。そのため、書籍やネットの情報を100%鵜呑みにして当てはめることはやめましょう。

まずは、「どこに住むのか」から始まり、「一カ月の生活費はいくら必要になるのか」「将来子どもにいくらかかるのか」など、離婚後の暮らしがトラブルなく想定できる範囲はもちろん、「大病して働けなくなったらどうする」「子どもが進学や就職、病気をしたなど、急な出費やまとまったお金が必要になる場合にどうするなど、細かく考える必要があります。ここで焦ってはいけません。じっくり時間をかけて必要事項を洗い出し、シュミレーションを繰り返しましょう。

4.シュミレーションしたことを基に離婚条件を考えていく

離婚後の生活や必要となるお金について、一通りのシュミレーションが終わったら、具体的に離婚条件について考えていきましょう。

考えておくべきことは以下のようなことでしょう。子どもがいない夫婦は、親権や養育費が問題になることはないでしょう。また、年金分割や退職金の分与は熟年者が離婚するに当たって考えておく必要があるでしょう。

子どものこと

財産分与について

  • 預貯金口座、株式など財産となるものをリストアップする
  • 共有財産と特有財産の振り分け
  • 持ち家の場合ローンを含めてどうしたいのか決める
  • 離婚後に共有財産が見つかった場合どうするか
  • ペットはどちらが引き取るか

年金分割について

・配偶者の年金が年金分割の対象になるのか

・合意分割か3号分割か(3号分割は手続きのみで可能)

・「年金分割のための情報提供請求書」で年金事務所に請求する

・「年金分割のための情報通知書」を受け取り、按分割合を確認する

退職金の分与について

・配偶者が退職金を受け取れる可能性はあるのか(退職金制度の有無、退職時期など)

・退職金規規程などをもとに退職金の見込み額を計算してみる

その他

・取り決めたことを離婚協議書などの文書にする

・養育費や財産分与、慰謝料など条件にお金が絡む場合は公正証書にする

5.4でシュミレーションした結果を紙などにまとめる

4で考えた内容を整理して紙などにメモしておきましょう。できれば、相手と話し合いをイメージして、話す順番どおりに書き留めておくと良いでしょう、いざというとき、言葉に詰まったり、頭が混乱してしまわないよう整理して、メモを来るべき話し合いに備えて台本化するくらい作り込みましょう。

6.相手と話し合いをする

いよいよ配偶者と話し合いです。話しを切り出すタイミングを見極めましょう相手が疲れているときや機嫌が悪そうなときは避けましょう。決してケンカ腰になってはいけません。穏やかに話し合を切り出しましょう。

どうして、離婚しようという気持ちになったのか、離婚後の生活をどうしたいのか新しい生活を始めるためにどのくらいお金が必要なのか今まで考えてじっくり考えてきたことを台本化したメモをもとに、冷静に話しましょう。

相手の機嫌が悪くなったり、怒りだしても、喧嘩になってはいけません。感情が高ぶってしまったら、コーヒーやお茶を淹れるなどして気分を変えましょう。決して、自分の考えや感情を相手に押し付けてはいけません。冷静に相手の言い分や要望も聞きましょう。

とにかく、一度の話し合いですべてが決めるとは考えず、「離婚は時間がかかるもの」と割り切って、相手にもじっくり考える時間を与えてあげましょう。

7.合意できたら離婚協議書を作成する

離婚条件に合意できたら、離婚協議書を作成しましょう。また、養育費や財産分与、慰謝料などお金に関する取り決めがあるなら、強制執行認諾条項付きの公正証を作成しましょう。この条項があることで、いざ不払いとなったときは、相手の銀行口座などを差押えて強制的に支払わせることが可能となります。

【参考記事】

8.離婚届を提出する

公正証書ができたら役所に離婚届を提出しましょう。くれぐれも、公正証書の作成より前に離婚届を出すことはNGです。相手の気持ちが変わって公正証書の作成に協力しないということもあり得るからです。離婚届が受理されたら円満離婚の完了です。

まとめ

この記事では、円満離婚をするために必要な考え方と準備についてお話ししました。円満離婚するために一番大切なことは、自分の感情や考えばかりを相手に押し付けるのではなく、相手の考えていることや要望もしっかり聞いてあげることです。

「どうして離婚を考えるようになったのか」「離婚後はどうしたいのか」「だからこれだけお金が必要なんだ」ということを冷静に淡々と伝え、あとは、相手にじっくり考える時間をあげましょう。

たとえ、最初は納得してくれなくても、自分の気持ちや考えが変わらないことなど時間をかけて説明していきましょう。そして、相手が納得して離婚の条件に付いて合意ができたなら、離婚協議書などの文書を作成しましょう。

取り決め条件に、養育費や財産分与、慰謝料などお金に関する取り決めがあるなら、強制執行認諾条項付きの公正証書は必ず作成しておきましょう。当事務所では、離婚専門の行政書士が、離婚についての悩み、離婚協議書の作成公正証書作成をサポートしておりますので、お気軽にご相談ください。

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