新婚なのに離婚したくなる原因と考えるべきこと

こんにちは、函館の行政書士 小川剛弘です。

結婚した夫婦のほとんどは、恋愛から愛情を深め、「この人と一生人生を伴にしたい。」と思って結婚します。でも、一生人生を伴にするはずだったのに、新婚早々スピード離婚してしまう夫婦が少なからずいます。

結婚前に抱いていた相手や新婚生活に対する理想が打ち破られてしまい、結婚前には気付かなかった相手の短所やイメージとは違った新婚生活が始まると、「こんなはずじゃなかった。」と離婚したくなる気持ちになってしまうようです。

でも、その時の感情だけで離婚してしまうと後悔することになってしまいます。今回は、新婚だけど離婚したくなったときに考えるべきことをお話しいたします。

スピード離婚は珍しくない

結婚してすぐに離婚をする、いわゆる「スピード離婚」は珍しいことではありません。

厚生労働省の令和3年度の「人口動態統計」によると、婚姻後1年以内に、いわゆる「スピード離婚」をした夫婦の数は、離婚をした全夫婦の約5.3%を占めています。

令和3度については、1年間に9,853組もの夫婦が婚姻後1年以内に離婚をしました。この数字は決して少なくありません。

新婚1年以内といえば、楽しい頃だとイメージされてしまいますが、では、なぜ新婚早々離婚を考えてしまうのでしょうか?

新婚なのに離婚したくなる原因

新婚にもかかわらず、離婚したいと考える原因にはどんなものがあるのでしょうか。

ひとりの時間が持てない

近年、晩婚化が進み、結婚前に一人暮らしが長かった人の場合、生活のリズムやパターンを自分中心で進めることができました。

たとえば、「お腹が空いたらご飯を作って食べる」「朝はギリギリまで寝ていたいから朝食は食べない」「部屋は汚れたら掃除する」、「洗濯は洗濯物がたまったらする」「付き合いやしたいことが多いから帰宅時間が遅くなっても構わない」

こういった生活を続けてきた人だと、結婚して、相手に気を遣ったり、相手との時間を大切にしていかなければならない生活を息苦しく感じてしまうことがあります。

金銭感覚が違った

独身であれば、自分の給料の遣い道は自分で決めることができましたが、結婚するとそうはいかなくなります。

独身時代だったら、自分の趣味や好きな物にお金を遣うことができましたが、結婚したことで夫婦としての共同生活を第一に考えていかなくてはならなくなり、そのためにストレスを感じてしまうことになります。

家事分担で喧嘩になる

家事の分担でトラブルになることが意外と多いようです。共働き夫婦なのに、妻だけが一方的に家事を強いられてしまう状況だと、妻が不満やストレスを溜めてしまうことになります。

こういったことが続くと、いかに新婚生活とはいえ、家庭の雰囲気はどんどん悪くなってしまい、離婚を考えてしまうことも少なくないようです。

食事の好みが合わない

食事の好みが合わないとストレスになり、ついには離婚に至ってしまうことがあるようです。最初は、好みの違いも「そうなんだ」程度だったのに、特に、妻が食事を分担している場合、自分の嫌いな物でも夫が好きな物なら作らなければならないことにストレスに感じてくるかもしれません。

また、外食する場合でも、お互いの好みが違えば、店選びでも喧嘩になるかもしれません。

お互いの時間が合わない

夫婦どちらかの仕事に夜勤があったり、夫婦の休日が合わないなどの場合は、一日数時間しか顔を合わせないことや、極端な場合、数日振りに話をしたなど、お互いの時間が合わなくてすれ違い状態に陥ってしまうことがあります。

こういった状況が続けば、夫婦でコミュニケーションをする時間が少なくなってしまい、相手の考えていることがわからなくなったり、相手の仕事そのものにも不満を持ってしまい、離婚を考えるきっかけになってしまうことも。

子どもへの接し方に不満

交際しているときは、ほとんど喧嘩などしたことがないのに、子どもが産まれて、子どもへの接し方を見ていくうちに離婚を考えてしまうことがあるようです。

妻としてみれば、我が子は自分のお腹を痛めてやっと産んだ子どもです。でも夫が妊娠期間中の妻の苦労や出産の辛さに理解を示してくれず、我が子への愛情や子育てについてもさほど関心を示さなかったり、協力的でなかったりすると不満が募ってくるでしょう。

「イクメン」と呼ばれる言葉もあるように、最近では、父親も積極的に育児に協力するのが当たり前になりつつあります。

しかし、最も身近で協力的であるはずの夫が無関心で非協力的であれば、妻にとっては、「一人で子育てしても同じ」と思えてしまい、離婚を決断する方もいらっしゃいます。

相手の両親や親族との関わり

夫や妻の両親や親族との関わり方は、特に妻にとっては決して小さい問題ではありません。

たとえば、夫が親の言いなりになって、妻の考えや意見をおざなりにしてしまうことで、妻が孤立してしまい、その結果、離婚に至ってしまうことがあります。

また、夫の両親と同居するケースでは、結婚を機にマイホームを新築したり、改築したりした場合、夫の両親に新築や改築かかった費用を払ってもらったりすることも多いため、新婚夫婦にとって、親に頭が上がらなくなり、肩身の狭い思いをしてしまうこともあります。

何をするにも、夫の親の意見が優先されたり、言いたいことも言えなかったり、子どもが産まれても、子育てに両親が口を出してきて、自分の思った子育てができないことが増えてきて、ついには離婚を決断することもあります。

一時の感情で離婚してしまうと後悔することが多い

以上のような理由から、離婚を決断してしまうことがあります。

しかし、スピード離婚に限らず、離婚全般に言えることではありますが、離婚を一時の感情だけで決めてしまうと、後悔する可能性が高いです。

離婚を考え始めたときは、離婚を急ぐあまり、冷静に自分や夫婦、子どものこと、生活がどう変わるのかといったことを冷静に考えられる状態でないことが多く、この状態で離婚を決断してしまうと、良い結果にはならないことが多いのです。

そのため、離婚を考え始めたら、まずは「離婚して本当に自分は後悔しないのか?」ということを十分に時間を掛けて考えてみましょう。このときに、離婚して生活が成り立つのかも含めて考えてみましょう。とくに子どもがいる場合には、特にこのことを意識して考えてみましょう。

生活基盤の見通しがない状態で離婚してしまうと、生活そのものや子育てにも影響してきます。本当に自分は「離婚したいのか?」「離婚しても生活していけるのか?」をじっくり考えてみましょう。時間をかけて考えることによって、離婚そのものを考え直すこともあります。

離婚をするべきかを判断する3つの

    1.離婚をすることでこの先もずっと幸せでいられる自信はあるか?(経済的なことも含めて)

    2.今すぐ離婚しなければならない理由をいくつも思いつくか?

    3.離婚することで子どもにどんな影響があるか想像できるか?

    これら3つのことについて、しっかり答えがあるのなら、すぐに離婚しても後悔する可能性は低いでしょう。

    また、同時に、夫と離婚することで、どんなメリットがあるのかを書きだしてみてみると良いでしょう。2、3個程度のメリットしか書き出せないなら、離婚後、後悔する可能性が高いかもしれません。

    相手と別れるという大きな決断の前に、「本当に離婚をして良いのか」もう一度冷静に考え直してみてください。

    離婚することのメリットもある

    ここまで、離婚を決断する前に冷静になって考える重要性やデメリットについて書いてきました。でも、離婚することによって得られるメリットもあるのです。

    それは、精神的な重圧から解放されるということです。

    離婚原因で一番多いのが、「性格の不一致」によるものです。考え方や嗜好の不一致は夫婦生活を営んでいくうえで大きな障害であり、同時に夫婦双方にとっても精神的な重圧となります。

    そして、そのことが、夫婦の問題では済まなくなり、親や親戚など周囲を巻き込んでのトラブルに発展してしまうこともあるのです。

    このようなことから、「この人とは、絶対に噛み合わないから一緒にいられない」と思う程の理由がある場合や、「相手の性格をどうしても受け入れられない」などの場合には、この人がいなくなってしまえば、本当に自分は、精神的な重圧から解放されることになるのかを考えてみましょう。もし、その答えが、「YES」であるなら、すぐにでも離婚をした方が良い場合もあります。

    まとめ

    結婚後、1年未満に離婚してしまう夫婦は決して少なくありません。

    離婚を決めるきっかけとなる原因も様々です。

    近年、晩婚化が進み、独身期間が長かった人同士が結婚すると、生活ペースの違いや給料の遣いみちなどが制限されるため、不満をためてしまうこともあるようです。また、食事の好みが合わない、時間が合わない、お互いの両親との付き合い方などが原因で離婚を考えてしまうこともあるようです。

    ただ、離婚を決意する前に、「離婚したら経済的なことも含めて後悔しないのか?」ということを、しっかり考えてみることが大切です。決して、一時的な感情で離婚を決めてしまうことはやめましょう。

    また、離婚を決めたなら、離婚後すぐにしなければならない手続きや、離婚後の生活支援制度の活用について、どのようなものがあるか確認と準備をしておきましょう。

    【参考記事】「離婚後にしておくべき手続き」

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