熟年夫婦 妻から「三行半」を突きつけられる前に夫が気をつけるべきこと

こんにちは、函館の行政書士 小川剛弘です。
「熟年離婚」という言葉がすっかり定着した感がありますが、夫からすれば、家族のために人生の大半を仕事に追われ、子どもも独立して、退職を契機に、「ゆっくり妻と旅行でもしようか」などと考えていた矢先に、妻から離婚を切り出だされるといったことは、決して少なくはありません。
夫からすれば、身に憶えもない、まさに「青天の霹靂(へきれき)」
そして夫のほとんどは、何が原因なのか分からず困惑して慌てふためくばかり…。
気づかないうちに何が、妻の心の中で起こっていたのでしょうか?
今回は、妻から突然離婚を切り出されないために、離婚の原因になり得るもの、上位2つを取り上げて、注意すべきポイントと対処法についてお話しいたします。
妻から見た熟年離婚の原因

妻が熟年離婚を決断するに至った原因をまとめたデータがあります。
第1位「夫が家事を手伝わない」
第2位「暴言を吐く」いわゆるモラハラ
第3位「甲斐性がない」
第4位「浮気(不倫)」
第5位「酒癖が悪い」
これらの原因に一つでも当てはまるものがあれば、熟年離婚の危険性があると考えた方が良いかもしれません。
では、これら5つの原因のうち上位2つについて見ていきましょう。
第1位「夫が家事を手伝わない」

夫からすると、「夫が家事に協力的でないから離婚する」という妻の心情は理解しにくいかもしれません。
理由は、大半の男性は「家事は妻がするもの」と思っているからです。
大半という表現については、「俺は違うぞ!」と反発される方もいらっしゃるかもしれません。
この点については、現在の20代~40代の比較的若い夫婦の場合、家事や育児は分担するものという考え方が浸透してきていているため、熟年夫婦よりは家事に対する捉え方が違う気がします。
しかし、50代以上の男性の場合、妻を母親のイメージと重ねてしまいがちで、自分が子どもの頃、母親が家の事を一切やっていたという記憶があるため、妻にも母親のようにあるべきという考えになりがちで、家事について一切手伝いをしないという夫が決して少なくありません。
その結果、業を煮やした妻から離婚を切り出されてしまうのです。
では、どうすれば良いのか(対処法)
それなら、「夫が家事を手伝えば離婚は避けられるのか?」というとそう簡単なことでもありません。大切なのは実際に「家事を手伝うこと」ではなく、「家事は妻がやって当然だ」という考え方そのものを改めることが肝心です。
「さて、それなら俺も今日から家事を手伝ってみるか」と、すぐに行動に移せるなら何の問題もありません。でも、現実的には、自分の考え方を変えて、行動に移すことは、なかなか難しいことです。年齢を経てくれば、それまで培った自分の考えを改めるのは易しいことではありません。
では、どうすれば良いのかというと、せめて妻に対して“感謝の気持ち”を表現してみてはいかがでしょうか。
例えば、お茶を淹れてくれたら「ありがとう」 ご飯を作ってくれたならその都度「おいしそうだね。いただきます。」など妻が何かしてくれる度に、感謝の気持ちや褒め言葉を伝えるだけで、夫婦間の雰囲気はガラッと変わってくるものです。
早速、今日から実践してみてはいかがでしょうか。
第2位「暴言を吐く」など いわゆるモラハラ

妻が熟年離婚を決断する原因の第2位として「夫からの暴言」いわゆるモラハラをあげています。
暴言やモラハラと聞くと、相当過激な言葉を想像する人がいるかもしれませんが、そんなに過激な言葉ではなくても、言葉の暴力と捉えている妻が多いのです。
例えば毎日のように「お前は本当に料理が下手だな」「掃除くらいちゃんとやれ!」と言われたり、話しかけても「うるさい!」「いちいち俺のやることに口をはさむな!」などと返されたら、妻としてはどういう気持ちになるでしょうか。
夫としては特別悪意があって発した言葉ではなくても、妻にとっては言葉の暴力と感じられ、それが日常的になってしまうと、精神的に耐えられなくなって離婚を決意してしまうこともあるのです。
では、どうすれば良いのか(対処法)
実際、結婚生活が長くなると、言葉遣いについてあまり気を遣わなくなりがちです。
それに、仕事のストレスからくるイライラなどと相まって、自分でも気づかぬうちにきつい言葉になっていたりすることがあります。
「夫婦だからその辺の加減は心得ているはず」という根拠のない自信を持っている男性が少なからずいらっしゃいますが、しかし、妻側からしたら、夫の安心感とはまったく真逆の気持ちであることも多く、妻が快く思っていなければ、いずれ離婚を切り出されるかもしれません。
このような事態にならないためにも、つい言葉に出してしまいそうな妻に対する言動を今一度考え直してみることが必要です。
妻のマイナス面を見るのではなく、日頃から積極的に妻のプラス面に注目するようにしましょう。
その他の離婚の原因について
上述した、妻から離婚を切り出す5つの原因の他に、第6位に、「夫が暴力を振るう」第7位「夫に大きな借金がある」第8位「夫の親の面倒をみたくない」第9位「夫と会話がなくなった」第10位「好きな男性ができた」といったものが挙げられています。
こういった原因については、また機会を改めて書いてみたいと思いますが、どれも妻にとっては深刻な問題なのです。
しかし、これら離婚を考えるきっかけとなった原因を、それほど深刻なことと考えていないという現実があります。
そのため、改めることも努力することもないため、ある日突然、妻から離婚を切り出されて右往左往してしまうという結果になるのです。
まとめ
熟年離婚に至る原因は様々ですが、共通して言えることは、コミュニケーション不足が原因となっているケースが多いのです。
そのため、熟年離婚を避けるために、一番有効な手立ては妻とのコミュニケーションを密接にすることです。
今まで、自分から話題を提供して、話しかけたりすることがなかったような夫が突然妻に話題を振るようになったら妻は不審に思うかもしれません。
この辺は、あまり意識しても上手く会話が成り立たなくなるので、それとなく妻の関心のあることや趣味の話しなどから、徐々に慣れていくようにすると良いかもしれません。そして妻から不満や要求を聞き出せるようになったら、一歩前進です。あとは、相手の気持ちを極力受け止めてあげるようにしてください。
今回は、女性側から離婚を切り出すケースを見てきましたが、逆に、妻にも何らかの問題があり、夫から離婚を言い渡されるというケースもあります。
結局、離婚に至る夫婦の場合、どちらか一方が全面的に悪いということはありません。必ず双方に何らかの原因があり、離婚してしまうのです。
しかし、熟年離婚では圧倒的に妻から離婚を切り出しているのが現実です。
熟年とよばれる年代になり、経済的にも弱い立場の妻が、離婚を切り出すには、相当強い考えと覚悟があるとみていいでしょう。
「ある日突然・・・」を避けるためにも日頃から気を付けるべきこと、できることはあるのです。
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