離婚原因第1位「性格の不一致」のホントの意味

こんにちは、函館の行政書士 小川剛弘です。
日本の夫婦が離婚する原因として、一番に挙げられるのが「性格の不一致」です。
また、結婚を考えるとき、一番重要視する条件が「性格が合う」ということです。
つまり、性格が合う、もしくは似通っていることが、夫婦にとって幸福度が高いということになるようです。
では、実際、夫と妻の性格はどこまで似ているものなのでしょうか?
性格が似通っている夫婦はほとんどいない

アメリカとオーストラリアの夫婦を対象に、夫婦間でどれだけ性格が似通っているのか調査した結果があります。
それによると、アメリカやオーストラリアの夫婦も「性格が似ていること」を結婚の条件にしている人が多いが、実際結婚してみると、性格が似通っている夫婦はほとんどないという驚きの結果でした。
性格が一致もしくは似通っている夫婦の方が、幸福なのではないのでしょうか?
性格が似ているから幸福ではなく「価値観」の一致が大切
これについては、ドイツの心理学者が調査したことがあるようで、その結果によると、「性格が似ているから幸福度が高い」という結果にはなりませんでした。
つまり、性格が似ていようが、似ていなかろうが、夫婦の幸福度には影響がないのです。
でも、性格の一致、不一致が夫婦の幸福度に影響がないにもかかわらず、日本の離婚原因の第1位が「性格の不一致」なのはなぜでしょう?
そもそも、「性格」とはなんでしょう?
そういわれると、漠然としていて、答えにくいのではないでしょうか。
実は「性格」と漠然とした言葉の中には、「価値観」という言葉が隠されているのです。
「価値観」、つまり、「自分の中で何を大事にしているのか」「ある事柄に対して、同じように感じ、考え、そして同じような行動をとれるか」といったことの一致こそが、夫婦にとって一番大切な事柄なのです。
イギリスのロンドン大学の調査によると、「価値観」や「態度」「行動」が夫婦間で似ているほど、結婚生活への満足度が高く、うまくいく傾向があることが明らかにされています。
二人ともおっとりしている、せっかちだ、楽天的だ、内向的だなどといった性格の問題ではなく、「子どもをどのように育てたいか」とか、「お金に対しての意識」など、「価値観」が似ていれば似ているほど幸福度が高く、夫婦としてうまくいきやすいという調査結果がでています。
「性格の不一致」とは「価値観の不一致」
こう考えていくと、なぜ日本の離婚原因の第1位が「性格の不一致」なのかが見えてきたような気がします。
それは単に、「性格」と「価値観」を混同してしまっているからなのではないでしょうか。
「私がこれだけ心配しているのに、あなたはなんでこんなに呑気なの…。」など性格の違いが直接の原因となって離婚した、という話はあまり聞いたことがありません。
でも、「私は子どもを厳しく育てているのに、夫はいつも甘やかしし放題。とか、「食事をしていると、お箸でご飯を集める音がうるさい。味噌汁を飲むとき音を出して飲むのが嫌。そのことを何度注意しても直らないので、食事のたびにイライラする」など、行動の違いといった「価値観」のギャップが原因となって離婚に至ってしまうことが多いのです。
「価値観のギャップ」を埋める方法はあるのか?
価値観が衝突したきに、してしまいがちなことは、お互いに自分の方が正しいと主張してしまうことです。
どこかの段階で、夫婦のどちらかが、矛を収めることができれば良いのでしょうが、最後まで自分の主張を押し通そうとしてしまうことの方が多いのではないでしょうか。
ここで、怒りにまかせて自分の考えを押し通そうとして話を収めようとしても、事態は逆効果になりがちです。
では、価値観が衝突したときに対処する方法はあるのでしょうか?
一番の方法は「対話」です。そして結局はこれに限るのです。
対話とは、ただお互いの意見を主張し合うことではなく、相手の考えをしっかりと聞き、受け止めるということなのです。
そして肝心なことは、相手がなぜそういう考えをするのだろう?自分の行動や行為に疑問を持ったことはなかったけど、本当にこのままで良いのだろうか?ということに思いを巡らせ、同時に相手の意見の良いところを見つけて共感することが大切です。
そして、共感することができたなら、お互いの考えを取り入れた解決方法がないか探ってみることをおすすめします。
それでも、結論が出なかったり、相手の話に共感できる部分がなかったなら、第三者の考えを聞いてみることも良いでしょう。
離婚など最悪な状況を回避するためには、良好な夫婦関係を維持するには努力が必要です。
夫婦になる前の人生において、育った環境、置かれた環境が違えば、夫婦の価値観が違うのは当たり前。
大切なのは、価値観の違いを嫌がらず、お互いを知ろうと歩み寄ること。相手の考え方を尊重し、言葉を尽くして自分の考えを伝え、着地点を模索することです。
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