遺言書に書かれていない財産が発覚!どう扱えば良い?

こんにちは、函館の行政書士  小川たけひろです。

故人の遺言書に基づいて相続手続きを進めていると、遺言書に書かれていない財産があることがわかりました。このような場合、この財産をどう扱ったらよいのでしょうか?また、財産の記載はあるが、どういう割合で分けるのかが記載されていない財産はどう扱えば良いのでしょうか?

遺言者自身も財産を把握しているとは限りません

遺言書は、遺言者が存命中に作成されます。つまり、遺言書を作成する時点においては、遺言者が最期を迎える時点の正確な財産の状況はわかりません。また、遺言者が遺言書を作成する際に、すべての相続財産を把握して、それをきちんと整理しているとは限りません。

不動産や大口の預貯金などについて記載漏れすることはほとんどないでしょうが、長年使っていなかったいわゆる「休眠口座」のようなものや有価証券など、普段あまり利用しない財産については、遺言書に書き忘れてしまうことがあるかもしれません。

財産の一覧を作成したり、定期的な遺言書の見直しなどをしていれば、このようなことを減らすことができるかもしれませんが、可能性としてどなたにも起こり得ることなのです。

遺言書に書かれていない財産はどう扱うのか?

では、実際に、遺言書に記載されていない財産が見つかった場合、どのように対処しなければならないのでしょうか?      

遺言書に記載されていない財産については、その財産についての遺言が無い、つまり、遺言者がその財産について意思表示しなかったことになるので、記載されていない財産については、法定相続の対象となるため、相続人全員で遺産分割協議を行い分配方法を決めることになります。

遺言書に割合が書かれていない財産

では、相続財産の記載はあっても、割合が書いていない場合はどう扱えば良いのでしょうか?                  例えば、自宅を妻と子に相続させようという場合に、妻と子が割合の記載が無いといったケースです。              この場合も、割合を決める必要があるので、遺産分割協議を行うことになりますが、遺産分割協議には相続人全員でする必要があるのか、遺言に記載された当該遺産の分割に関わる相続人だけなのかは解釈に争いがあります。

遺言書を無駄にしないためのポイント

せっかく遺言書を作っても、記載漏れの財産があったり、分配割合の不記載などがあれば、結局遺産分割協議をしなくてはならないことになってしまいます。遺言者の意思をしっかり承継させるためにも次のような点に注意して作成することが大切です。

遺言書を作成する前に相続財産の一覧表を作り、遺言書に相続財産の記載漏れがないことを確認する。

・遺言書を定期的に見直してみる。

・1つの相続財産を2人以上の人へ相続させる場合には、割合まで記載する。

・万が一、遺言書に記載のない財産が発覚する可能性を考慮した場合どうするのかの記載をしておく

まとめ

財産そのものの漏れや分配割合の記載のない遺言書は、特に自筆証書遺言に多く見受けられます。                自筆証書遺言は、作成時に自身以外関与者する者がなく、上記のような懸念だけでなく、内容が法律に触れていたり、形式的な不備などによって無効となってしまう怖れがあり、遺言者の真意が実現しないといったことも決して少なくありません。

そのため、このような不測の事態を防ぐためにも、財産や遺言書の見直しを定期的に行うことが肝心です。もし不安があれば、行政書士などの専門家に相談してみるのも良いかもしれません。

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