公正証書の「正本」「謄本」の違いは?

公証役場で、公正証書で遺言や離婚協議書などを作成した場合、「原本」をもとに「正本」と「謄本」が交付されます。でも、これら「原本」「正本」「謄本」の違いを区別できる方は少ないかもしれません。

では、これらの用語について、どのような違いあるのでしょうか?

「原本」

まずは、原本とよばれる、「正本」や「謄本」「抄本」の基となるオリジナルの文書があります。文書の作成者が作成した文書そのもののことです。

離婚協議書などを公正証書にした場合、夫婦(又は代理人)と公証人がそれぞれ署名と押印したものが1部だけ作成されます。そして、原本は20年間公証役場に厳重に保管され、外部に持ち出されることはありません。

「正本」

正本は謄本の一種です。そして、この正本は、権限のある者が,原本にもとづいて作った文書であって,原本とまったく同一の法的効力がある文書のことです。「権限ある者」とは、裁判所書記官や公証人などのことを指し、これらの人によって作られたものです。

正本には、公正証書の全文のほか、正本であること、正本を請求した者、作成日、作成場所を記載したうえで、公証人が署名、押印します。

この正本は、効力の備わった証書として金銭の支払い契約の債権者側に交付されます。

たとえば、公正証書の中で養育費の取り決めをした場合、養育の支払いを受ける側に正本が交付されます。

「謄本」

謄本というのは,原本の内容を完全に写したものです。つまり、“原本のコピー”が謄本です。謄本は、原本そのものの存在や、原本に書かれていることの全部を証明するために作成される文書です。


謄本には、公正証書の全文のほか、謄本であること、作成日、作成場所を記載したうえで公証人が署名、押印します。公正証書の謄本は、原本の写しになりますが、正本とは違い、効力は備わっていません。


たとえば、公正証書の中で養育費の支払いを取り決めした場合、支払う側に謄本が交付されます。

「謄本」と「正本」の違い

正本は謄本の一種であって、謄本というくくりの中に正本が存在します。上述したとおり、正本は原本と同じ効力を持って通用しますが、謄本には、原本と同一の法的効力はありません。

そのため、強制執行するには、謄本で手続きすることはできず、正本が必要となります。また、遺言を公正証書で作った場合、不動産の相続登記手続きをおこなうときには、基本的に公正証書正本が必要となります。

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