離婚協議書における清算条項は大切です。

離婚後「慰謝料が少ないから、もっと支払え!」「新たに分けるべき財産が見つかったから、財産分与をやり直そう」と離婚相手から言われたら困ってしまいますよね。
こういったトラブルは、離婚をするときに、慰謝料や財産分与、養育費などの条件について取り決めしなかったか、もしくは口約束だけだったりする場合が多いのです。
または、離婚協議書など文書を作成していたとしても、後々相手に請求を許してしまうような記載をしていたのかもしれません。
いずれにしても、離婚後に別れた相手と顔を合わせて話し合うのは気が進みませんよね。
では、そもそもこういったトラブルはどうして起きてしまうのでしょうか。
そしてこのようなトラブラはどうすれば回避できるのでしょうか。
この記事では、「清算条項」について説明いたします。
離婚協議書や公正証書を作ることはトラブル回避の第一歩
離婚を決めたら、慰謝料や財産分与、養育費について話し合いますが、中には、すぐにでも離婚したいために「慰謝料も財産も要らない。」と感情が先に走ってしまい、すぐに離婚届を出してしまう方がいらっしゃいます。
また、話し合いで取り決めしても、その取り決め内容を離婚協議書や公正証書といった文書を作らず、いわゆる口約束だけで済ませてしまう方もいらっしゃいます。
でも、これらの場合、後々「あのとき慰謝料の話はしないで別れたけど、冷静になったらやっぱり慰謝料が欲しい。」「あのときは勢いで慰謝料は要らないっていったけど、やっぱり支払って!」「財産は要らないって言ったけど、やっぱり自分の権利分は欲しいから、財産分与の話し合いをしよう。」など別れた相手からいわれ、せっかく離婚して心機一転新たな生活を始めたのにもかかわらず、トラブルになってしまうことがあります。
まず、こういったトラブルを回避するためには、離婚協議書や離婚公正証書など、離婚に際しての条件をしっかり文書にしておくことが大切です。
蒸し返し防止のための清算条項
そして、こういった文書の最後に、上記のようなトラブル予防のために「清算条項」というものを記載するのが一般的です。
「清算条項」とは、離婚成立後、離婚協議書や公正証書に記載した内容以外、慰謝料、財産分与を含め一切の財産的な請求を相互にしないと合意することです。これは非常に重要な項目です。
つまり、この清算条項というものは、離婚後に相手側から、「慰謝料が少ないから、もっと支払え」と請求されたり、「他に分けるべき財産が見つかったから、財産分与をやり直そう」といった、いわゆる“蒸し返し”を防ぐために置かれる条項なのです。
ネットのひな型を使う場合は慎重に
清算条項は、離婚協議書や離婚公正証書を作成する場合は、必ずと言っていいほど記載される文言であり、離婚後のトラブルを防止するためにも、かならず記載するようにしましょう。
また、離婚協議書などを自分で作ろうとした場合に、インターネットや書籍に載っている、「ひな形」をそのまま使用して、作成する方も多くいらっしゃいますが、この清算条項についてしっかりと理解していないために、間違った使い方をしているケースが見受けられます。
そのため、離婚協議書や公正証書を作り、清算条項も記載したので「もう安心!」と思っていたのに、後々意外なことでお金を請求されてしまったりすることがあります。
清算条項を記載する際には注意が必要であり、ひな形をそのまま使うことはおすすめしません。
しっかりと理解した上で使用するようにしましょう。
ご自身での作成が難しかったり不安な場合は、行政書士など文書作成の専門家に依頼すると良いかもしれません。
まとめ
慰謝料や財産は要らないと言って離婚したのに、しばらくしてから請求されても困ってしまいます。せっかく新たな気持ちで生活を始めたのに、別れた相手と再度話し合いをするのは気が進まないでしょう。すんなり話し合いがまとまれば良いですが、トラブルに発展してしまうことも。そうなると時間も費用もかかってしまうかもしれせん。
こういったトラブルを防ぐ意味でも離婚協議書や公正証書を作ることは有効なことです。
そして、後々、金銭の請求などを蒸し返されないために「清算条項」を記載することを忘れないようにしましょう。
ただ、インターネットや書籍に載っているひな形をそのまま使用してしまうことは、新たなトラブルを起こすこともあるので、慰謝料や財産分与、養育費、清算条項といった必須の記載事項についてはしっかり理解してから使用するのはもちろん、
当事務所へ離婚協議書や公正証書の作成を依頼されたお客様に、作成後に内容の説明をする際、清算条項については特に詳しくご説明させていただいております。そのため、清算条項ってこういうことだったんだと理解される方が非常に多いです。
ご自身で離婚協議書などを作成するのが不安な場合は、文書作成の専門家である行政書士などに作成を依頼することをおすすめします。
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