面会交流 ~頻度、時間、内容をどう決めるのか~

こんにちは、函館の行政書士 小川剛弘です。
離婚することになったら、親権、養育費、財産分与、慰謝料など様々なことを取り決めます。
また、離れて暮らす親と子どもを定期的に会わせる「面会交流」についても取り決めすることが多いと思います。
面会交流については、頻度や時間、内容などをどうするかについて悩むことがあるのではないでしょうか。
この記事では、そんな疑問について解説していきます。
面会交流って誰と誰が交流するの?
面会交流は、離婚した夫婦に子どもがいた場合に、子どもを監護・養育していない方、つまり、子どもと一緒に暮らしていない方の親が、子どもと定期的に交流することをいいます。
面会交流は、普段一緒に暮らしていない親と交流することで、離れていても自分は愛されているということを実感できるため、子どもの健全な成長のためには、非常に重要なこととされています。
また、面会交流については、離婚した場合だけではなく、夫婦が別居状態にある場合についても認められるとされています。
面会交流の方法にはどんなものがあるの?
面会交流の方法については、直接親子が面会をするだということを指すだけではなく、電話やメール、LINE、SNS あるいは手紙等でのやり取りや、直接的な交流ではなく、プレゼントを贈るといった間接的な方法も行われています。
面会交流の頻度ってどのくらいにすればいいの?
面会交流の頻度については、夫婦それぞれの事情や子どもの年齢、身体や精神状態、学校行事や友達との交流などを考慮して決めていくと良いでしょう。
特に子どもの年齢が上がってくると、友達との付き合いや勉強、部活に費やす時間が増えていくため、予定どおりの交流ができなくなってくるかもしれませんが、それだけ子どもが成長しているのだと割り切ることが大切です。
面会交流について特に決まった頻度というものはありませんが、平均すると「月1回程度」を希望することが多いように思います。
面会交流は何歳まで続けるの?
面会交流は、原則として子どもが成人するまで行われます。
以前は20歳までと取り決めることが多かったのですが、法改正で成人年齢が18歳となり、今後、面会交流も18歳までと取り決めることが増えていくかもしれません。また、「子どもが大学を卒業するまで」とする場合もあります。
面会交流にはある程度のルールが必要です。
面会交流を行うにあたり、頻度や時間や場所、交流内容について、ある程度のルールを作っておくことが必要でしょう。このときあまりにも厳格なルールにしてしまうと、親も子どもも窮屈に感じたりストレスを感じてしまい、最悪、「もう会わせない」「もう会いたくない」といったことになってしまう怖れもあるので、ある程度柔軟性を持たせたルール作りが必要でしょう。
面会交流のルールの取り決め方
まず、頻度を決めてしまいましょう
面会交流のルール作るときは、まず頻度を決めてしまいましょう。
頻度については平均値といったものはありませんが、一般的には「月に1回程度」としていることが多いようです。
面会交流1回の時間はどうする?
面会交流の時間についても平均といったものありません。
短いもので1時間程度としていることもあれば、丸一日としている場合、あるいは宿泊も認めるとしている場合もあります。
特に子どもが小学生以下の場合は、2~3時間程度としていることが多く、年齢が高くなるに連れて、時間も延びてくるようです。
面会交流の場所をどう決める?
面会交流の場所として「遊園地」「水族館」「映画館」や「ファミリーレストラン」「ショッピングセンター」など様々な場所が考えられます。
また、「別居親の自宅」や場合によっては「祖父母の家(別居親の親の家)」としている場合もあります。
ただし、子どもを大人が楽しむような場所に連れていく親もいるため、面会交流の場所については、一定の制限を決めることも必要な場合があります。
直接交流だけではなく間接交流としていることも
面会交流は、直接会うことをイメージするでしょう。しかし、遠距離に住んでいた場合などは、電話やメール、LINEなど間接的な交流をしている親子もいます。
面会交流の内容はどう決めればいいの?
面会交流の内容をどうするのか取り決めをしている場合も多いです。
たとえば以下のことが内容として取り決められていることが多いです。
・誕生日、クリスマスやお正月にプレゼントやお年玉を贈ってもいいか
・学校行事への参加ができるか
・夏休みや冬休みなど長期休暇のときに旅行ができるのか
・祖父母との面会が可能か
このように、内容については様々なものが考えられます。
しかし、内容にかかわらず、面会交流に関する取り決め事項に関しては「子どもの健全な成長のため」ということを第一に考えて、親同士が自分の都合や希望だけで取り決めることのないよう気を付けなければなりません。
そのため、子どもの年齢、性別、性格や生活スタイルなどを考慮して、極力、子どもの負担とならないような内容を取り決めることが大切です。
面会交流が禁止・制限されることはある?
面会交流を行うことで、子の健全な成長に支障をきたす恐れがある場合として、以下のようなことが考えられます。
①面会交流を行うと、別居親が子どもに対して暴力を振るったり、精神的な虐待を咥える怖れがある。
②別居親が子どもを連れ去る危険性がある
③子どもが面会交流を負担に感じ、それが原因で身体や精神の状態に影響し、結果、健康を損なう危険性が高い
④面会交流時に、別居親が子どもに監護親の悪口や不満を言ったり、「自分と暮らそう」などと言って、子どもと監護親を引き離そうとしたり、そのようなことで子どもが精神的に不安定になってしまう。
以上のような場合には面会交流の実施方法について見なおす必要があるかもしれませんが、以上のような場合でも、①の場合は別として、いきなり、面会交流そのものを禁止してしまうのではなく、別居親と監護親がよく話し合い、子どもにとってベストな方法を模索することが大切になってきます。
ただし、①のような面会交流させると子どもの親身体や精神に虐待を加える危険性がある場合には、面会交流を拒否できるでしょう。
養育費を支払わないことを理由に面会交流を拒否できるの?
よく、養育費を払わないから面会交流させないとおっしゃる方がいらっしゃいます。
心情的には、養育費を払っていなののだから会わせたくないという気持ちは理解できます。
しかし、養育費の支払いと面会交流とは別次元の問題であり、養育費の支払いを面会交流させる・させないという取引条件とすることはできないとされています。
まとめ
面会交流は、離婚や別居しているために子どもと暮らせない親が、子ども交流することで子どもの健全な成長を促そうとする制度です。
面会交流の頻度や時間、場所や内容については、親同士が、それぞれの事情や状況に応じて話し合って取り決めすることが一般的です。ただし、面会交流の取り決めがなされた場合であっても、拒否できる場合があります。
そして、面会交流の取り決めにあたっては、親同士の事情や心情も大切なことではありますが、まずは、子どもの気持ちを第一に尊重し考えてあげることが大切です。
また、面会交流について取り決めたことは、後々のトラブルを避けるためにも、離婚協議書や離婚公正証書などの文書に記載しておくことをおすすめします。
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