「もう会わせたくない!」面会交流でやってはいけないこと

こんにちは、函館の行政書士 小川剛弘です。
離婚後、定期的に別居親と子どもを面会交流をさせてきたけど、別居親の「これはちょっと!」という行動で、「もう会わせたくない!」と思ってしまったり、ついには面会交流をやめてしまうこともあります。
でも、面会交流は離婚時に約束したことであり、別居親からは「約束違反だろう!」と責め立てられたり、子どもも別居親と会うのを楽しみにしていたりするとどうしたら良いのか悩んでしまいます。
では、このようなときはどうすればいいのでしょうか?今回は、面会交流によくあるトラブルとその対処法や面会交流にあたって、父親と母親がそれぞれ守るべきことや心掛けておくべきことを確認しておきましょう。
面会交流をやめさせたくなる理由
では、実際どのようなことが理由で面会交流をやめさせたくなってしまうのでしょうか。
子どもに高額なお小遣いやプレゼントを渡す
誕生日や入学祝い、卒業祝いなど、記念日や特別な場合であれば問題ないのですが、別居親が会うたびに、度を超した金額のお小遣いや高価なプレゼントを渡されると困ってしまいますよね。
たしかに、普段一緒に暮らせない親としては、たまに会った時に子どもが欲しがっているものを買い与えたり、ちょっと多めのお小遣いを上げたくなってしまう気持ちも理解できます。
でも、子どもと一緒に暮らす親としては、自分が一生懸命躾しつけをしているのに、甘やかすようなことをして…。」「子育ての苦労を知らずに良いとこ取りだけして」などと思ってしまうことがあるかもしれません。
子どもにとっても、たまに会う別居親にお願いすれば何でも買ってもらえるとか、ついには両親が離婚したせいで、自分は不自由な生活を強いられてしまっていると考えてしまうことがあるかもしれません。
こうなると、子どものためと思ってしていた面会交流が、子どもにとっても、親子関係にとっても逆に悪い影響を及ぼしてしまうかもしれません。
このような事態に陥らないためには、お小遣いを渡す場合は、一度にいくらまでと金額を決めるとか、プレゼントについては、誕生日や入学時などの節目に渡すなど、親同士ででルールを決めておくことが大切です。
同居親の了解を得ず、旅行などの約束をしてしまう
たとえば、別居親が、同居親の許可を得ず、夏休みや冬休みに数日の予定で旅行に連れて行くことを約束してしまったけど、面会交流の取り決め内容には、宿泊を伴う旅行については認めておらず、取りやめにしてしまいたい。
でも、子供は別居親との旅行を楽しみにしているのに、ここで取消しをしてしまうとせっかく楽しみにしていた子どもの心を傷つけてしまうことになりねず、どうしたら良いのか悩んでしまうことがあるかもしれません。
こういったことはありがちですが、同居親としては、取り決め以外のことをされると困ってしまいますよね。
こういったトラブルを避けるためには、取り決め以外のことをしたい場合には、前もって相談をするということや、子どもと勝手な約束をしないなどのルールを決めておくことが大切です。
子どもが混乱してしまうことを言われてしまい、元気がなくなってしまった。
面会交流の際、別居親から「一緒に暮らそう」と言われたり、何かするたびに同居親に秘密にするよう強制したり、同居親の悪口を聞かされたりすると、子どもは大きなストレスを抱えてしまうことになります。
その結果、元気がなくなったり、無口になってしまったり、最悪、面会交流を拒否してしまうといった事態になりかねません。
そんなときに理由をしつこく詮索すると別居親と同居親との間で、板挟みになってしまい、さらにストレスを抱え込んでしまうかもしれません。
こういったときは、普段通りに対応しながら様子しばらく様子見るようにしましょう。
そのうち、子どもの方から話し始めるかもしれません。また、父親にも言動には十分気をつけてもらうようにお願いしてみましょう。
次に、面会交流にあたって別居親、同居親がそれぞれ守るべきことや、心掛けておくべきことを確認してみましょう。
別居親が面会交流時に最低限守るべきルール
子どもに無理をさせない
子どもの健康状態やスケジュールなどに十分に配慮しましょう。子どもが成長するにつれて、部活動や習い事などで面会交流とのタイミングが合わせにくくなることもあります。
でも、自分が面会したいがために、子どものスケジュールを無視してまでも強制してはいけません。体調が悪いときや子ども同士の付き合いもあります。そんな状態でも、別居親が楽しみにしていることを思い、別居親に気を遣って、面会交流を優先させようと考えるかもしれません。
でも、こういったことが続けば、やがて心のストレスも大きくなり、面会交流をおっくうに感じてしまうかもしれません。常に、子どもの状態や気持ちを優先させて、子どもに絶対無理をさせないことが、面会交流を継続させるために大切なことです。
高額なお小遣いやプレゼントを渡さないこと
別居親は、お金や物で子どもの関心を引くのはやめましょう。誕生日や入学式、卒業式など特別な日であれば良いでしょうが、ただ子どもが喜びそうだからなど、無節操にお金や物を渡すことは、子どもがお金に執着したり、「お金をくれる人=別居親」のようなイメージを持ってしまったりなど、子どもの教育のためには決して良いことではありませんので、両親がしっかり話し合って線引きしすることが大切です。
同居親が面会交流時に気をつけるべきこと
普段どおりに接すること
面会交流の日は、子どもを送り出すときも帰ってきたときも、普段通りの態度で接しましょう。同居親が不機嫌そうな顔をしたり、不安そうな顔をしていると、子どもを不安にさせてしまったり、気を遣わせてしまい、挙句にもう別居親とは会わないと言い出すかもしれません。そうなっては、別居親とトラブルになる可能性もあります。
「楽しかったことを話したいけど、お母さんの機嫌が悪くなるから話せない・・。」など、顔色をうかがうようなことをさせては可哀想です。ここはしっかり大人として、交流の様子を気兼ねなく話せる雰囲気を作ってあげるようにしましょう。
両親がどちらも気をつけるべきこと
面会交流の取り決めをきちんと守る
面会時間や面会場所など、ルールとして決めたことを守らないと、お互いの信用をなくしてしまい、面会交流の実施について影響が出てきます。要望やルールの変更を求めたい場合には、事前にしっかり話し合うようにしましょう。
相手の生活の様子を聞き出そうとしたり、相手の悪口は言わない
子どもにとっては、お父さんもお母さんも大事な自分の親です。子どもから相手の生活の状態を聞き出そうとしたり、悪口を言ったりすることは、子どもに不要なストレスを与えてしまったり、心を傷つけてしまうかもしれませんので、こういったことは絶対にやめましょう。
面会交流は、子どものことを一番に考えて実施する
面会交流を行うためには、子どもが、別居親と快適で楽しく過ごせることを第一に考えることが大切です。両親の対立関係や悪感情を持ち出すことは、子どもにとって、決して良い結果とはなりません。
またルールが曖昧だと、行き違いや誤解もあったりして、不安や心配も多くなり、相手に不満を持つことになってしまうかもしれません。そのため、必要があれば、ルールの修正や追加をするなどの見直しをすることが大切です。
まとめ
面会交流は、離れて暮らす親子が過ごす貴重な時間です。
そんな時間だからこそ、離れて暮らす親は、「あれもしてあげたい」「これも買ってあげたい」と普段できないことをしてあげたくなるものです。
しかし、度を過ぎると、同居親との関係を悪くさせてしまったり、子どもが、両親との間で板挟みになってしまい、ついには、面会交流そのものができなくなってしまうことがあるかもしれません。
そうならないためにも、面会交流時にしてはならないことや守って欲しいことを事前に話し合って、ルール作りをしておくと良いかもしれません。
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